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大雪のボランティアツアー

ツアー担当の藤井です。
1月26日、27日の両日でラブギャザ主催のボランティアツアー(6回目)を行った。

今回は大雪にの中でのツアーとなった。
26日、朝6時30分といつもより40分近くも早く新宿を出発した。結果的にそれが幸いした。途中東北自動車道の郡山と本宮の間が雪によって通行止め。
一般道の大渋滞をこれまで4回ツアーに参加してくれている常連の喜多さんの優れものカーナビ?によってうまくかいくぐり、およそ30分で高速に戻る。それでも、最初の目的地、牡鹿半島の谷川浜はとても遠いところで、到着したのは午後2時少し前だった。

谷川浜の漁師・木村さんの作業小屋でホヤの卵を着床させる仕掛け作りを手伝う。谷川浜は全国の9割を生産しているホヤ養殖の本場だ。

ホヤは毎年12月の満月(クリスマスイブのころ)の夜に一斉に産卵する。卵はカキの貝殻を好むそうで、仕掛けはカキの貝殻をいくつもつなげて作る。
貝殻はなるべく大きいものがよく、さまざまな大きさの貝殻から大きいものを選り分けていった。

気温は氷点下で海の風が肌を刺す。ゴム手袋の先と長靴のつま先が凍えてくる。
作業の途中、漁師さんが色んな話を聞かせてくれた。ホヤの卵はカキの貝殻に好き、カキの卵はホタテの貝殻が好き、でもホタテの卵はなぜかナイロンのネットに惚れている。

去年の暮に入れたカキの貝殻に着いたホヤが出荷できるのは3年先のことだ。私たちが選り分けた貝殻が海に沈むのは今年の12月、先は長い。
浜で2時間ほど作業して、女川の宿へ向かう。途中、笹かまぼこの老舗「高政」でふわふわあつあつの手焼きかまぼこを食べる。

今回泊まることになったのは、1月にオープンしたばかりのトレーラーハウス「エル・ファロ」。スペイン語で灯台という意味だ。
津波で旅館を流された女将が、女川の復興の道を照らす明かりとなりたいという思いを込めて名付けた。まだ建築制限のある女川の中心地で旅館を再開するために移動可能なトレーラーハウスでスタートした。

快適な宿だった。8畳ぐらいのツインの部屋にユニットバスとトイレがついている。食事はカキフライと魚の煮つけ。
前回お世話になった、ママ・サポーターズの八木純子さんを夕食に招き、話を聞く。八木さんは仮設住宅のおばあさんたちを元気づけるために、布草履を作って全国に販売している。
そして今度は、仮設に引きこもっているのおじいちゃんたちを励ますために、果樹園を作るという。本当にパワフルだ。
八木さんが言っていた。「一生懸命なればなるほど、逆風にさらされる。でも、体の向きを変えれば、追い風になる」。八木さんは被災地の厳しい現実と戦っている。

そして、もう一人、壊滅した女川の水産加工を復活させようと奔走する若き経営者「青木や」の青木久幸さんに話を聞く。
青木さんは、鍋に入れると最高に美味しい大きなタラから14べクレルの放射生物質が検出され悩んでいた。いま、そのことを表記して出荷するか、出荷を見送るべきか迷っているという。
14ベクレルは、食品基準の100ベクレルに比べとても低く、計測器によっては検出されない程度の値だ。福島第一原発から100キロも離れた女川にも原発事故が影を落とし、復興を妨げている。東京には伝わっていない被災地の現実が語られた。

 27日朝、深々と雪が降り続いていた。東北自動車道の郡山と本宮間は相変わらず通行止め。さらに三陸自動車道も通行止めになっていた。
食堂のおじさんは、「三陸自動車道は雪に弱くてごめんね」と明るく詫びていた。
                                           
 7時30分に宿を出発。女川から山を抜け、雄勝を通って十三浜に向かう。
 今回は阿部滋さんの作業ではなく、浜十三の仲間の西條よしきさんと佐藤肇さんのホタテ養殖の準備を手伝う。西條さんは大指という集落の高台に最近立派な家を新築した
。そして、震災で失った漁船が新しく完成し、2月下旬に届くという。周りにもいくつか新しい家が建ち始めている。
十三浜の漁師さんたちも本格的に動き出しているようだ。

 西條さんと佐藤さんの2つの作業場に分かれて、ロープにホタテのピンを刺したり、ロープを短く切りそろえたり、ホタテの籠をテングスで結わえたりして作業に勤んでいた。
             。
 そして、この日は私たちのために佐藤肇さんが、朝早くから船を出して、どんこ、カニ、わかめ、ベビーホタテ、そしてアワビを取ってきてくれていた。アワビの刺身、特に肝はつるりとなめらかでいてこりこりとした触感がたまらない逸品だった。
そして、いつものようににぎやかで楽しい阿部滋さんとこうこさんのおもてなし。初めて参加した男性が「この料理、この味、この雰囲気、このお酒。幸せな気分」と嬉しそうに話していた。

 前回のツアーの時、2回続けて参加しくれた人が「楽しかったからまた参加しました」と話していた。それを聞いてボランティアツアーを長く続けるためには、楽しいことも大事なんだなと気づいた。
そして今回、その楽しい理由が阿部さんや佐藤さんの笑顔だったり、もてなしの心だったりするということを感じた。

 被災地のボランティアのあり方が違うフェィズに移ってきている。漁業の現場も少しずつ日常を取り戻しつつある中で、何がボランティアで何が日常の作業なのかの線引きもあいまいで分かりにくくなっている。
それでも、浜十三の漁師さんが受け入れてくれて、参加した人たちが、楽しいと感じて、また来たいと思ってもらえるのであれば、続ける価値があるように思える。
 別れ際、阿部さんたちはいつまでも手を振ってくれていた。

 午後になると天気が晴れ、通行止めも解除された。バスは順調に進み、午後8時半無事新宿に到着した。
  



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